■一般的な評価
カプ・ド・ムーラン一は、一段と控えめではあるが、所有者を同じくするバレスタール・ラ・トネルとスタイルが似ている。メドックの平均的なブルジョワ級に相当する品質である。
カプ・ド・ムーラン一族は、サン=テミリオンにおいて5世紀にもわたってシャトーを所有してきた。彼らは名高いサン=テミリオンの特別級であるバレスタール・ラ・トゥネルやプティ=フォリー=ド=スータール、また秀逸なモンターニュ=サン=テミリオンのシャトー=ルーディエの所有者でもある。1983年に至まで、カプ・ド・ムーランの名を冠した特級のサン=テミリオンは2つあったが、その1つはジャン・カプ・ド・ムーランが所有し、もう一方はジャック・カプ・ド・ムーランの所有下にあった。 カプ・ド・ムーランは、通常はたくましく、リッチで、フルボディーのサン=テミリオンであり、果実味と力強さに溢れたワインである。時としてフィネスに欠けることもあるが、一貫して、味わいは豊かで、満足すべきワインを提供してきている。ブドウ畑は、しばしば「ピエ・ド・コート」と呼ばれる、平坦で砂礫質の、ごつごつした土壌の上にある。
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‘タルヤスワイン会’で登場!1943年のボルドーは戦争中で一番出来が良かった年といわれておりますが、
今現在70年歳を迎えようとしているヴィンテージワイン。さてさて・・
ワイン関係の本等には、「2013年までもつ」などというコメントは皆無。しかし!実際そうではないからワインの世界は奥深いしおもしろいし。そんなワインはたくさんございますが、まずはこのワインが証明しています!
重要なのはワインの状態。状態がよければピークは過ぎてもおいしく愉しめます!
(ピークという言葉の意味合いやニュアンスは、一見マイナス要素に思えたりもしますが、ある程度以上熟成したワインについては、ピーク云々の問題ではなく、ワインの状態が全て)
古酒の楽しみは味わいだけでなく、古酒ならではの瓶の形や性質や重さ、キズ、汚れそしてもう一つキャップシール!グランヴァンのキャップシールは鉛で出来ていますが、特に古酒の鉛は重い(ごつい)このあたりも古酒ならでは!
そして抜栓。問題なくコルクを抜くことができて、とても良い状態。戦前のワインにしては、生命力を感じる色合い。素晴らしい!
ワイン会ではブラインドにて、ヴィンテージの年代当てクイズをしました。「1960年代?」「1950年代?」「1940年代?」いずれかを選択していただくクイズでしたが、まさかここまで古いとは思わず、回答は1960年代に集中。
お一人様だけ、半分冗談で「1940年代」と書いた方がみえたのですが、答えのワインを見て、まさかまさか正解になるとは!「冗談で書いたのに!」って大盛り上がりでした!
恐るべし「1943年 カップ・ド・ムーラン」